症例

治療ポイント

咬合時の上顎右側第一大臼歯の違和感を訴え来院された患者様です。精査の結果、歯根破折と同部位からの感染による歯周炎と診断し、抜歯の適応となりました。抜歯後の欠損補綴に対してしっかり咬みたいという望みからインプラントを選択された患者様ですが、歯周炎を長期放置していたことにより骨が吸収し、上顎洞との距離が短くなっており、そのままではインプラントの埋入は困難な状態でした。そのため、上顎洞に骨補填材を填入するサイナスリフトを併用することで、インプラント治療を行うことができました。

また、サイナスリフト、インプラント埋入手術を行うにあたり、恐怖心が強かったため、静脈鎮静法を併用しています。静脈鎮静法を併用することで、寝ている間に手術が終了するため、手術中のストレスを最小限にすることが可能となります。

口腔内には歯根破折の原因となったパラファンクション(食いしばりや歯ぎしりなどの非生理的な力)を示唆する骨隆起や咬耗が見られます。今後、別の歯の歯根破折やインプラントの破損リスクが高いと判断し、マウスピースを夜間に装着していただくことで破折リスクを軽減させています。